平成7年6月定例会
野村まこと(眞実)の一般質問と答弁の全文です。
○4番 野村まこと(眞実)君 政友会所属の野村まこと(眞実)でございます。
初めに少々私ごとになりますが,さきの統一地方選挙におきまして,高齢化と少子化に対応した活力ある福祉都市の実現を公約として多数の皆様の御支援に支えられまして当選させていただきまして,おかげさまで本日ここに初登壇の機会を得ることができました。
水戸市を会社に例えたとき,その経営内容は大変厳しいものがあり,経営スタッフの一員として忘れてはならないのが市民の皆様お1人お1人が株主であるとの認識です。
与えられました任期を,使命感を持った模範的な市議として,全う致しますことをここにお警い申し上げまして,通告に従い,平成7年第2回定例市議会一般質問に移らせていただきます。 福祉行政の質問でございますが,まず最初に精神障害者の福祉についてでございます。精神障害者の水戸共同作業所「ひだまり」の件でずが,「ひだまり」を支援いたします後援会員の1人として,ここ近年の行政並びに関係機関の担当者各位の温かい御理解と努力にこの場を借りまして御礼申し上げます。
既に御承知のように,「ひだまり」は,水戸地区精神障害者を守る会の方々に支えられ,精神障害者の社会復帰と自立支援を目指し,民間による作業所として発足して以来,おかげさまで1度の事故もなく,間もなく10年を迎えようとしております。しかしながら,念願でございました水戸市総合福祉作業所の中に位置づけられることもなく,現在も千波町の水戸サン・アビリティーズの1部屋を間借りしておりまして,特に本年度は県内に新設の作業所がふえたこともあり,例年までの厚生省よりの全国精神障害者家族会連合会を通しての100万円の補助金も打ち切りとなり,他の公的福祉作業所との格差は一向に解消される方向にないのが実情でございまず。
また,支える側の高齢化も進んでいるため,次のようなさらなる公的支援が急務であると考えられますが,ぜひとも執行部の前向きな姿勢を御期待申し上げますとともに,今後の展望をお伺いいたします。 第1点でございますが,精神障害者のさらなる社会復帰や自立支援のために,例えば市関連の業務の一部を作業所に委託するとか,市関連の新設施設の飲料品自動販売機の設置を優先的に許可するなど就労先の開拓や収益事業のあっせん促進が必要と思われますが,いかがなものかお伺いいたします。 次に,現在の間借り状態は極めて手狭であり,作業にも支障があるため,例えば新原や緑岡保育所跡の一部を提供するなど,市の遊休施設や未利用地の活用等により環境改善に向けて整備が必要と思いますが,いかがなものか,お聞かせいただきたいと思います。 第3点ですが,10年勤続の小沢洋指導員等の身分についても極めて不安定であり,低賃金でもあるため,一家のあるじとして家族を養うのも困難な状態にもございます。
せめて水戸市社会福祉事業団等の公的職員に準ずるような方策がとれないものでしょうか,お伺いいたします。 福祉行政の第2番目でございますが,高齢者の福祉について質問いたします。
第4次総合計画の中で,在宅福祉サービスを中心としたきめ細やかな福祉施策の推進が位置づけられ,水戸市においても,在宅介護支援センターが4カ所設置となり,ホームヘルパーの拡充や緊急通報システムの導入計画など各種高齢者の福祉サービスが充実の方向にあるのは評価できることと思います。
しかしながら,事業設置主体や位置づけられている関係法の違いにより,その内容も複雑多様化しており,担当者レベルでの連携もとりづらく,さらにはそれらの広報手段もまちまちであるため,せっかくのサービスが利用者にとってわかりづらいとの声が多いのも実情です。
私自身,福祉関係の仕事についていたこともございまして,しばしばいろいろな相談をお受けいたしますが,最近特に多くなってまいりましたのが入院先の病院より身内の者が退院するよう申し渡されたが,自宅での療養は難しく,どこに相談すればよいのかがわからずに困っているので,何とか受け入れ先を探してほしいとの相談でございます。そんな経験のもとに,何が今市民の皆様に求められているのかを考えてみるとき,本当に必要なときに必要なサービスを安心して速やかに受けられることに尽きると思うのです。
そのためには,いわば社会資本でもある各種の施設や人材を有効に生かし,それを活用しながら例えば介護110番等の窓口を設置し,利用者にとって必要な情報を一元化したり,利用者の基本情報を各施設間で共有化するなどのための連絡調整機関の設置が必要と考えます。今後の対応をお伺いいたします。 続きまして,都市計画行政についての質問でございます。
第1点は,中心市街地の活性化策に伴う交通体系等の諸施策についてでございます。中心市街地の活性化支援の方策として道路網や駐車場の整備へ向けての担当者各位の御努力は評価いたしますが,交通体系の効率的な整備という観点で考えると,さらなる補完的な施策が必要と考えます。次の2点についてお伺いいたします。 第1番目は,国道349号線と千波大橋をつなぐ県の事業である(仮称)水戸トンネルと建設省の事業であります地下駐車場,水戸市泉町駐車場との間が地下でアクセスすることができ,中心市街地の活性化策として有効に生かすことができるよう,何らかの追加施策が必要なのではとかねてから考えておりましたが、その点についていかがなものか,お伺いいたします。 第2点は,駐車場案内システムについてでございます。駐車場案内システムの案内表示板が市内の主要箇所に設置されましたが,表示板の内容に具体性が乏しいため,市内に精通している我々地元の人でも極めてわかりづらいとの指摘を耳にいたしますが,例えば,表示板の各駐車場に番号表示等をし,各路線の路肩にそれを補完する意味の簡素な案内標識等を設置するなどの追加施策が必要と思われますが,中心市街地の再開発等の各種活性化策に伴う交通体系の見直しを含めてお伺いいたします。 第2番目の質問でございます。赤塚駅周辺の整備計画について質問いたします。
水戸市赤塚駅周辺地区開発事務所が設置され,西部地区の生活拠点として整備計画の推進に御尽力のことと思いますが,市施行の再開発事業と関連都計道3・6・30の開通並びに南側の区画整理事業の進捗状況はいかがなものか,お伺いいたします。 また,河和田2丁目区画整理事業が地権者と住民の協力により進められており,その成果を期待しておるところでございますが,事業遂行には都計道3・4・149(赤塚駅西線)と都計道3・5・32(河和田飯島線)の区画整理区域外の部分の整備にあわせ,雨水及び汚水の下水道の整備が急務であると考えますが,用地交渉を含めました関係機関との協議状況の進捗状況についてお伺いいたします。 次に,住宅行政についての質問でございます。
市営河和田住宅の環境整備と建て替えについてでございますが,平成2年ごろより議会でも建て替えの論議がなされ,特に簡易耐火平家建て及び2階建ての453戸に関しては建て替え基本計画の中にも取り入れられる方向にあったように記憶しておりますが,現在でも約90戸が空き家の状態にあり,住人の高齢化が進む中,一部においては老朽化により防災や防犯や衛生面でも種々の問題が発生しつつあるのが実情です。さらには環境共生モデル地区事業の中に位置づけられ,建て替えの方向にあった区域においても空き家が増加し,住宅全体で約220戸もの空き家が発生しており,環墳悪化の要因にもなりかねないのが現状であります。
現在の管理状況は,少しでも明るく住みやすい地域づくりへと河和田住宅自治会の役員を中心とした地元の皆様が一丸となり,既に各地区ごとに点検を行い,駐車場等を含んだ改善事項を取りまとめ,担当課よりの前向きな御対応をいただきつつあるとのことですが,次の2点についてお伺いいたします。 住宅建て替え計画の進捗状況と今後の見通しはいかがなものか。また,建て替えを行うのであれば,例えば高齢化対策として各棟の1階部分に高齢者や障害者のための住居を設置したり,また,防災対策として各住区の一定エリアごとに手押し式の非常用井戸を設置するなどの諸施策を導入したモデル的な事業にしてはいかがなものかと考えますが,その点についてもお伺いいたします。 第2点でございます。当面建て替え時期の見込みが立たないのであれば,住民との十分な話し合いを行い,部分的修繕により環境の整備されたエリアをつくり出すことによりまして,そこへ住みかえを勧め,老朽部の取り壊しを行い暫定的に駐車場スペースや広場として利用管理し,環境改善をするなど,何らかの対処が必要なのではと考えますがいかがなものか,お伺いいたします。
以上で一般質問を終わらせていただきます。
答弁
○副議長(大縄敬二君)保健福祉部長,先崎弘君。〔保健福祉部長先崎弘君登壇〕
○保健福祉部長(先崎弘君)野村議員の御質問のうち,福祉行政における精神障害者についてお答えいたします。
回復途上にあります在宅精神障害者の社会復帰施設であります水戸共同作業所「ひだまり」が水戸地区精神巨害者を守る会の熱意や地域住民の理解に支えられまして,本年で10年を迎えます。この間における守る会の方々の数々の御労苦に対して謝意を表するものであります。
水戸市といたしましても,精神障害者の社会復帰,社会参加を円滑に進めるため「ひだまり」の設立と同時に運営捕助に努め,段階的に厚みを加えてきたところであります。
最近の精神障害者共同作業所の動向は,国,県の指導のもとに民間サイドでの設立が進められ,現在県内には11カ所が設置されたと聞き及んでおります。 お尋ねの第1点目でございますが,精神障害者の社会復帰,自立支援についてでありますが,安定した支援の仕組みを構築していくことは必要不可欠であります。社会の一員として位置づける社会的就労の場の確保や受託事業の積極的な拡大を促進ずるなど総合的な障害者のための自立支援の方策を検討しているところでございます。 第2点目の市の遊休施設等を利用してはとのお尋ねでございますけれども,「ひだまり」の現状を十分に認識し,市全体の中で論議を積み重ねてまいりたいと存じます。 第3点目の指導員の身分の保障でございますけれども,民間施設との関連でもございますので,検討課題とさせていただきますので,御理解をお願いいたします。 続きまして,高齢者福祉についてお答えをいたします。
高齢者に対する福祉サービスにつきましては,ホームヘルパーの派遣を初めショートステイ,老人ホームの入所,老人福祉センターの運営,高齢者クラブの育成指導など30を超えるサービス事業を行っているところであります。これは水戸市を初め市社会福祉協議会,市シルバー人材センター,その他福祉法人等の運営する老人福祉施設,あるいは老人保健施設等で実施をしておりますが,市民への周知,申請の窓口につきましては御指摘のとおり,それぞれ機関施設で行っておりまして,利用者にとっては利用しにくい面もあろうかと思います。 御質問の件につきましては,現在実務者レベルによる在宅ケア検討会を設置し,施設,機関の共通理解と相互の連携を図り一体的な福祉サービスの提供に努めているところでございます。
また,市報や24時間テレホンサービス,みとシティガイドにより情報の提供を行っているところでございますが,さらに先進都市等の事例を参考にしながら市民に利用しやすい改正及び情報提供の方法について検討をしてまいります。 ○副護長(大縄敬二君)都市計画部長,佐藤研一君。
〔都市計画部長佐藤研一君登壇〕
○都市計画部長(佐藤研一君)野村議員の御質問のうち,まず中心市街地の活性化についての御質問にお答えいたします。
水戸市における中心市街地は,御承知のとおり,主要国県道が集中いたし,中心部への通過交通の進入が避けられない構造になっております。さらには地形的条件によりまして南部と北部の市街地も分断されている状況であり,中心市街地における交通体系は種々問題が発生している状況にあります。
その解決策といたしまして,広域を含めて都市部への進入を排除するための,バイパス機能を強化した都心環状道路の整備を進め,また,南北市街地の強化といたしまして,いわゆる水戸トンネルを含めました高規格な南北連絡道路の整備を進めているところであります。
今後,中心市街地につきましては,水戸駅南口貨物ヤード跡地計画や中心市街地における市街地整備事業などにより都心機能の強化が図られますので,それらの機能を補完する道路網の整備と効率的なネットワークが必要になってまいります。
このため,今後,中心市街地活性化推進室を中心とする中心市街地活性化計画の策定の作業にあわせ,中心市街地における交通体系の見直しを含めまして検討してまいります。 また,現在建設省常陸工事事務所で建設中の泉町地下駐車場と,いわゆる水戸トンネルの接続についての御質問ですが,以前から地下駐車場の効率的な運用の方法として水戸トンネルから出入りできないかという御質問がございますが,現在の駐車場法の施行令ではトンネル内に駐車場の出入り口を設けてはならないというふうになっております。
しかしながら,駐車場としての道路地下の利用はその用地の確保や用地費の高騰と相なりまして,全国的にその事例が増加しているところであり,現在,国におきまして法令の改正についての検討がなされているというふうに聞き及んでおりますので,今後,その推移を見て対応してまいりたいと考えております。 また,駐車場案内システムにつきましては,今年度で一応システムの完了を見ることになりますので,その成果,評価などの様子や今後の補助制度を見据えまして,次の段階での検討をしてまいりたいというふうに考えております。 続きまして,赤塚駅周辺整備計画及び河和田2丁目土地区画整理事業に関する御質問についてお答えいたします。
市施行の赤塚駅北口地区第1種市街地再開発事業につきましては,施行面積約2.6ヘクタールの中で,駅前広場などの公共施設を整備するとともに,施設建築物といたしまして,住宅,商業施設,公益施設,病院,立体駐車場などを合わせまして延べ床面積約4万7,400平米を計画いたし,平成10年度完成を目途に事業を進めております。
あわせまして,再開発事業によって整備いたしますこれらの施設を支える上で重要な,都市計画道路3・6・30号赤塚駅水府橋線のうち,赤塚駅前より国道50号までの区間につきましては,再開発事業にとりまして重要な路線でありますので,市街地の住宅密集地ではありますが,できるだけ早い時期に供用できるよう努力してまいります。
また,南口の土地区画整理事業面積約13.3へクタールにつきましては,現在地元協議を進めているところでございます。 御指摘の都市計画道路3・4・149号赤塚駅西線の河和田2丁目土地区画整理事業区域から都市計画道路3・5・32号河和田飯島線までの整備につきましては,国庫補助事業として平成8年度に事業認可を受け,土地区画整理事業の完成に合わせた整備を進めてまいる予定でございます。
また,下水道の整備につきましても同様に土地区画整理事業の進捗に支障を来すことのないよう計画的に汚水,雨水ともに整備を進めてまいる所存でございます。 ○副議長(大縄敬二君)建設部長,青柳好美君。
〔建設部長青柳好美君登壇〕
○建設部長(青柳好美君)野村議員の市営河和田住宅の建て替えについてお答えいたします。建て替え計画の進捗はどのようになっているかとの御質問でございますが,河和田住宅は昭和43年度から52年度にかけて,合計1,685戸が建設されました。水戸市最大の住宅団地でございます。そのうち簡易耐火平家建て及び2階建ての合計451戸の建物が老朽化をしているところでございます。第4次総合計画の中で8年度から建て替え基本計画策定調査の実施を予定し,10年度以降工事を着手してまいりたいと考えております。
なお,その間の既存の建物及び空き室につきましては,防犯及び防災等住環境に配慮し,維持管理に努めてまいりたいと考えております。 また,建て替えの際は,1階の部分に高齢者向けの住居の確保に努め,建設に際しましては高齢者の身体機能の低下に対応し,安全かつ決適に暮らせるよう,居室内の床の段差の解消,さらには浴室,トイレ等への手すりの設置など高齢者対応の仕様とした住宅を建設してまいりたいと考えております。