平成18年6月定例会
野村まこと(眞実)の一般質問と答弁の全文です。
前文
◆18番(野村眞実君) 平成18年第2回定例会におきまして,ただいまから,葵政友会を代表しての質問を行います。平成15年4月に再選されて以来,残り任期が1年を切り,これまでの3年間を振り返ってみると,改めて議員としての責任の重さを痛感しているところです。加藤市長におかれましても,来年は改選を迎えており,そういう意味では同じ立場にあるわけです。また,三位一体の改革や茨城町との合併,そして改選という極めて忙しい1年になることが見えているだけに,浮き足立つことなく,平常心で,地に足の着いた悔いのない活動を続けていかねばと自戒し,決意を新たにしているところであります。
今回の質問は,そんな自戒の気持ちから,市長を初めとした執行部の皆さんにも,目先の業務に追われることなく,公僕として誇りを持った活動をしていただきたいとの願いを込めてでございますので,市長の率直なる御答弁をお願いいたします。
質問
最初は,「元気都市・水戸」の実現についての活性化策についての質問であります。加藤市長がまちづくりのビジョンとしている「元気都市・水戸」を実現していくためには,みずからの都市の持つ力を高めていかなければならず,その中の核的な存在にある中心市街地の再生が重要なポイントであると認識され,殊のほか力を入れ,数々の事業に取り組んでおられることは評価できるのでありますが,市長は中心市街地を最終的にどのようにしようと描いているのかが,いまひとつ見えてこないように思えてならないのですが,次の点についての見解を具体的にお伺いいたします。
1点目でありますが,ダイエーに対する産業再生機構の支援が決定し,53店舗の閉鎖・売却対象の中に水戸店が含まれていることが明らかになって以来,市民生活に直結するダイエーの持つ機能の存続を,ダイエーのみならず,国や産業再生機構へ再三要請し,売却が決定されるや即座に,南町2丁目商店街振興組合やNPO法人WILLの要請を受け,地元住民の生活権の維持,生鮮食料品や日常物販機能が導入されないのであれば建築を許可しないという地区計画を設定してきた加藤市長の姿勢は,多くの市民から高く評価されているところであります。
去る1月27日には,優先交渉権者が決まるとされながら,公表はしない方針との一方的な話で,いまだにその情報が明らかにされていないのは遺憾に感じるところであります。
そこで,市として,ダイエー跡地の動向についてどのように取り組まれ,どのように把握されているのか,跡地についてどのような活用がされるべきと考えておられるのか,加藤市長の見解をお伺いいたします。
京成の跡地の活用については,泉町北地区再開発事業の準備組合において事業化へ向けた検討がなされておりますが,主たる事業用地の旧京成デパート跡については,所有者である京成電鉄が,もともと売却を前提で南地区への出店を決断したという経緯もあるため,売却されることはやむなしと理解しつつも,売却先となる新たな所有者次第で開発計画のコンセプトはおろか,計画の根底が揺らぐことも考えられ,単なる投資目的の中央資本に購入されてしまうようなことがなければと,関係者の間でもその動向が注目されていたのであります。
そのような中で,このたび,伊勢甚本社が購入したことが新聞報道で明らかにされたわけですが,街づくり100年委員会など地元の声を十分尊重した計画をしていただける可能性の高い地元企業であるだけに,歓迎するところであります。
地元を大切にする,申し分のない,よく知ったる相手だけに,即座にコンタクトを取り,関係者での会合を持つなどの対応を既にされていることと思いますが,伊勢甚本社や街づくり100年委員会等地元組織との協議状況等を含めた事業の進捗状況にあわせ,中心市街地の中で泉町北地区をどのような位置づけにされようとされているのか,市長の構想をお伺いいたします。
ユニー跡地については,撤退以来,長きにわたり再利用の可能性を模索してきながら,有効策が見出せないで,権利者の方々が御苦労されており,心配しておりましたが,過日,東京の不動産業者へ売却されたことにより,新たな局面へ一歩前進しつつあることは,一応の評価をしているところであります。
新聞報道等によれば,購入した不動産業者も,すべてを分譲マンションにすることなく,低層階については商業施設を位置づけるという考えを示しているようでありますが,こちらの方も,開発計画の中に地元の意見を反映させるために,早期に事業者とのコンタクトを取り,連携を図るべきと考えるところでありますが,市としてどのような対応をされているのか,また,市長はどのような用途が望ましいと考えておられるのか,具体的進捗にあわせて見解をお伺いいたします。
水戸駅南口の都市再生機構の拠点施設用地については,3月の定例会の代表質問の中でも触れましたが,107億円の区画整理事業を含め,概算で160億円もの費用を投下して計画してきた水戸駅南口開発事業の最終分譲地であり,水戸駅の玄関口に残された,まさに一等地であるだけに,当初の業務用地としての用途の縛りを変更して,50%までは住居系の用途が可能なように変更してしまうのではなく,水戸市の将来にふさわしい施設として活用されるようになるまで,市が取得しても慎重な対応をすべきであったのではと考えるところであります。
東京資本の業者に購入され,限度の50%を分譲マンションにされてしまうのではと心配していたのですが,最終的には水戸市内の地元不動産会社が出資する特別目的会社,SPCに譲渡されることが決定し,過日契約を締結し,2007年3月に引き渡しが行われるとのことですが,こちらも東京資本にやられてしまうことなく,地元の資本が取得してくれたということで,水戸の将来に恥じない,水戸市の玄関口にふさわしい建築物となるよう,市の意向を取り入れてもらえる可能性が高まったわけで,歓迎するところであります。
地区計画や建築協定に沿った開発が行われることは当然のことでありますが,場所が場所だけに,市は事業者と連携を密にし,積極的に構想に意見を述べるなど,かかわっていくべきであると考えますが,さきの都市建設委員会での委員の質問に対し,都市再生機構より計画の詳細を受けておらず,問い合わせたが,取得した事業者の了解を得ていないとの理由で明らかにしてもらえなかったなどと答弁したようですが,取得された事業者に了解を得てもらい,一日も早く譲渡金額を初めとした構想を含めた計画概要を把握すべきと聞き取りのときに申し上げておきましたが,まず,現時点で把握している内容をお伺いいたします。
また,市の意向を取り入れてもらうよう,速やかに協議に取りかかるべきであると考えるところですが,将来に恥じない計画にするために,今後どのようにかかわっていかれるのか,加藤市長が考える開発区域の水戸市の玄関口としての望ましい姿についての考え方と進捗をあわせてお伺いいたします。
観光基本計画を発表し,水戸駅に観光案内所を移設し,水戸黒や七面焼を新たな観光資源として位置づけ,黄門まつりを初めとした祭りのリニューアルに向けて取り組まれているなど,黄門様を前面に押し出し,観光都市としての再生に尽力中である加藤市長の熱意は評価するところであります。
そのようなときに降ってわいたのが,光圀の生誕の地の黄門神社の隣地である茨城交通の所有地の売却話でありますが,私は以前から,水戸市が取得し,周辺を含めた再開発を行い,観光物産館のような機能を有した水戸の観光拠点として位置づけ,北口ペデストリアンデッキを延長して動線を結び,ストレートに観光客が立ち寄ることができるよう整備すべきとの持論を申し上げてきたわけであります。
売却話が持ち上がったことを受けての,黄門神社奉賛会を初めとする地元の皆様の市への要望等の努力もむなしく,残念なことに,東京の不動産業者が購入し,マンションを建設中であります。このことは,3月定例会の質問の中でも触れておきましたが,まさに水戸の観光の目玉でもある黄門様の生誕の地の隣地へのマンション建設計画である以上,それを生かし共存できるような開発に向け,いち早く事業者へ働きかけをすべきだと考えるところであります。
以前,サンレイク水戸跡地の売却話が持ち上がったことがございましたが,水戸市が好文カレッジの建て替え用地として購入すべきとの要望をしながら,結果として地元不動産業者であるグリーンハウジングが購入され,現在のGコートという分譲マンションを建設することになりました。マンションの建設により,梅香の住環境を悪化させたくないとの思いで,反対の意思表示をしていた地元大坂町町内会の方々からの協議申し入れを受けて,事業者と幾度もの話し合いが行われ,私も地元サイドの相談役として同席させていただいたのですが,十分な協議の結果,事業地の歴史的な背景を踏まえた地元住民の意思を理解された事業者の協力により,玄関横には正岡子規が立ち寄ったときに詠まれた句碑を建設し,銀名水につながる井戸も保存されるという円満な解決を見ることができ,結果として,マンションのグレードもアップしたという解決を見ることができたという経験をさせていただいたのでありました。
民民間による経済行為である以上,とやかく言えることではないとの意見もあるかとは思いますが,購入された事業者の建築が完了し販売に着手する前に,しっかりとした話し合いを持ち,地元の考え方や要望が伝われば,事業者の理解を得ての共存共栄策,例えば黄門神社との境には塀等を設けずに,庭園で囲むようにして,手前は平面の駐車場として,管理組合の規程の中に,黄門まつり等の行事の際には支障がないよう,一時的に駐車を場外,こちらで用意したところに移動していただくというような協力をいただくなど,そのようなことを定めるとかも十分可能になってくると思われますので,旧ダイエーのときのような敏速な動きを求め,加藤市長のお考えと現時点での進捗をお伺いいたします。
中心市街地活性化基本計画の中では,水戸駅南,泉町南北,大工町等の再開発等の税金を投入している拠点は連携策が一応うたってあるようですが,ほかにもくろばね通りやダイエー跡,ユニー跡などなど,数々の開発拠点ができつつある中で,それぞれの拠点の連携により相乗効果が生まれるよう,必要に応じて地区計画や建築協定を定めるなどの手法を用いて,計画性を持って特徴づける必要があると考えますが,それぞれの拠点,エリア,施設等をどのように特徴づけされようとしているのか,加藤市長の見解をお伺いいたします。
一時期人口の減少が問題視され,住居系の建築物の積極的な政策誘導の必要性が論じられていた中心市街地でしたが,昨今,新しい分譲マンションのラッシュとも言える状況にさま変わりしつつあり,歓迎する一方では,学校や公民館等の社会施設のキャパシティーの面からオーバーするのではと心配もしてしまうのであります。
ちなみに,120世帯のマンションが1棟建つと学校は1学級ふえる計算になるとも言われている中で,市では公共施設のキャパシティーを踏まえた上での中心市街地での適正人口をどのように考え,予測されているのか,現時点までの人口の推移にあわせ,見解をお伺いいたします。
また,東京都江東区を初めとする一部の先進自治体において,マンション建設抑制の必要性から,建設規制地域を指定したり,開発協力金を制度化して事実上の規制に乗り出しておりますが,公共施設のキャパと人口動態の予測をどのように把握されているのか,また,今後の規制の可能性についても加藤市長の御見解を伺います。
茨城交通さんが水戸市内を循環する,仮称ですが市内循環バスを認可申請され,間もなく運行となることは,市民生活の利便性が向上されるのみならず,中心市街地活性化に寄与するものと歓迎し,期待するところであります。
このバスは,水戸駅から中央郵便局前を通り,水戸二高から大成女子高前を通り,向町へ抜け,栄町を経由し,大工町から商店街を抜けて水戸駅という路線を循環する双方向のバス路線で,1周の所要時間が26分,料金は利用しやすい160円でということでした。願ってもないことですが,せっかくの路線も,市民の利用が少なくて成り立たなければ取りやめとなることは自明の理であります。せっかくの企画が市民や来水客の方々に利用され生かされるよう,例えば,広報「みと」に掲載したり,観光案内所のマップに記載したり,生涯学習の旧跡めぐりの資料に記載したりというように,市民に市が広報等で周知するよう求めたいと思います。
市内の名所旧跡を初めとした観光拠点を周回するワンコインバスの創設を待望する市民の声がある中で,今回の路線が成功すれば,市民の要望に合致した,観光を主眼とした新たな路線の増設も可能となってくると思われますので,そのような可能性への期待を込めて,市としての支援策にあわせ,観光への思い入れの深い加藤市長の見解をお尋ねいたします。
環境行政についてであります。
水を初めとした地球環境へのこだわりを述べ,各種の環境政策を打ち出している加藤市長に共感を覚えるところですが,市長は,千波湖の美しい湖面を何としても5年以内に復元するために,霞ヶ浦導水事業を促進し活用することを検討されているようであります。
千波湖を見下ろしながら備前町で育った私にとって,千波湖が子供のころの大切な遊び場であり,市長と同様,いわば心のふるさとでもあるわけです。子供のころの千波湖は,水辺にハスや水草が繁殖していて,水質の浄化に一役買っていたこともあり,水生動物の宝庫でもあったのでした。そのハスや水草が,水質の向上のためのしゅんせつや浄化装置の設置に伴う刈り込み等により,結果として減ってしまったというわけでした。
私は,平成15年第3回定例会の一般質問の中で,千波湖のハスの絶滅についての認識と対策を伺い,当時の片山都市計画部長より,「親水性を持たせた護岸整備を行いながら,ハスも含め,環境にあわせた水生植物の再生に向け,検討してまいります」との答弁をいただいておりましたので,復活を心待ちにしていたのであります。
そのようなときに,今回,広報「みと」で千波湖の再生の特集があり,その中で,水質の悪化がハス絶滅の原因とも取れるコメントが掲載してあり,また,導水以外に打つ手がないようにとれる表現があり,驚いたのです。国の事業である霞ヶ浦導水事業の中の那珂川の水の桜川への導水を前倒しする決意を市長も述べられておりますが,コストがかからないのであれば大賛成であります。環境対策は,費用対効果の観点の考察も重要と考えますが,これまでの施策をどのように検証し,例えば,私が持論で申し上げていた,中央広域水道の取水権を振りかえて,渡里用水路を活用しての現在行っている毎秒1.4トンの導水をふやして行うとか,ほかの方法による対応策もあるかと思いますが,どのように検討されているのか,お伺いをいたします。
家庭ごみ有料化の答申を受けての質問でありますが,4月より有料化が実施となりましたが,市民の皆様の協力もあり,一時の収集袋の不足等の問題はあったものの,比較的順調に導入ができたものと評価しているところであります。
そもそも有料化は,ごみの減量化と再資源化の促進とごみ処理費用の抑制等のための水戸市廃棄物減量等推進審議会よりの答申に基づいて導入したものであり,答申の4から5ページには,「導入にあわせて取り組むべき諸施策が附帯されており,早期の実施及び対応に努めること」と結んであり,(1)にごみの減量化及び再資源化の推進についての4項目,(2)ごみ減量の取り組みに対する支援策について,(3)経済的弱者への配慮について,(4)不法投棄及び不適正排出対策について,(5)事業者責任の徹底についてというように解決すべき課題が位置づけられておりますが,これらは遅滞なく実施していく責任があると考えますが,これらの解決に向けたそれぞれの進捗をお伺いいたします。
3点目ですが,4水総から5水総に移行され,継続して位置づけられていた(仮称)リサイクルプラザは,3か年実施計画の中で中間処理施設とあわせ基本構想を策定中であり,来年度は建設候補地検討と位置づけられております。
また,先ほどのごみ有料化導入にあわせて取り組むべき施策等の(1)の3番にもうたわれており,長年の課題であるばかりか,ごみ減量,リサイクルの推進のためにも,スピードアップし,早急に事業化をすべきものと考えます。
そのためには,既にごみ処理施設として都市計画決定をしてある水戸市河和田町の第二清掃工場予定地が,都市計画の変更も必要とせず,反対であった焼却施設をつくらないという住民の意思にも合致しており,最有力の候補地ではないかと考えますが,リサイクルプラザの基本的なコンセプトと進捗等にあわせて,加藤市長の見解をお伺いいたします。
次は,子育て支援と少子化対策についてであります。
加藤市長は子育てのカリスマ自治体にいち早く名乗りを上げ,指定を受けて以来,岡田市政のもとで推進されつつあった子育て政策にスパートをかけて,少子化のための諸施策を計画推進されつつあることを評価させていただき,平成17年度の種々の施策の実施状況と現時点での評価をお伺いいたします。
2点目です。年々伸びつつある民生費でありますが,数字はその中に,子育て支援・多世代交流センターの用地費であったり,県から移管された児童扶養手当であったり,昨今の社会情勢から増大の一途をたどる生活保護費の支出が含まれているために,歳出に占める割合や総額での評価がしづらい状況であります。幾つもの新規施策を担当職員が一丸となって取り組んでいる状況からうかがい知る限りでは,かなり充実の方向にあるように思えますが,合計特殊出生率が下げどまらないという危機的な状況であるだけに,少子化対策の中のソフトの占める割合の傾向を考察しながら各施策の推進に当たらないと,推進状況を見失ってしまいかねないのではと危惧をし,進捗状況の点検をするよう求めるところであります。
そこで,子育て支援策の進捗と市長の姿勢をお尋ねいたします。
次は,教育行政についてであります。
加藤市長は,幼保一元化への取り組みとして,当初の内原保育所の単独建設計画を変更し,鯉淵幼稚園を(仮称)内原幼稚園として移転改築し,保育園との施設の共用化を図り,来年4月の開園に向けて着々と準備中であります。今回が第一歩ということですが,そもそも幼保一元化は,モデル事業として国が行っていた幼保連携型,幼稚園と保育所が連携し一体的な運営を行っているものと,幼稚園型,幼稚園が機能を拡充させているもの,保育所型,保育所が機能を拡充させているものと,さらに地方裁量型として,幼稚園,保育所のいずれの認可もないが,地域の教育・保育施設としての機能を果たすものの4タイプでモデル事業は行われておりました。
既存の施設は1から3タイプとなると言われておりますが,今回の内原の場合は幼保連携型とのことのようですが,特に責任者の身分をどちらの所属にするかが,組織としての機能が変わってくるわけで,仮に責任者2人の体制で乗り切ろうとすれば,下で働く職員が一番大変になるわけで,職員間の人間関係がうまくいかなければ,結果として,子供たちに悪い影響が出かねないのであります。
そこで,教育委員会と市長部局の両方で併任人事をとることによって指揮権の一本化をすべきと申し上げておきたいと思います。
加藤市長が描いている水戸市における幼保一元化の将来構想をお伺いいたします。 教育問題の2点目は,道徳教育,心の教育の推進についてであります。
中央教育審議会において心の教育が叫ばれて,丸8年が過ぎようとしていますが,日々報道され続けている子供たちの痛ましい状況には,みずからの非力さを感じるとともに,遅々として有効策が打てずにいる状況にいら立ちと憤りすらも覚える昨今であります。
生命の尊重や思いやりの心,正義感,倫理観,豊かな人間性,社会性など,伝えたりみずから気づいてもらわなければならない課題が山積しており,まさに学校,家庭,地域のさらなる連携の必要性を痛感しております。
実は,通告の時点で,道徳の学習時間が私どものころよりも少なくなっているに違いないとの思いで,学習時間の強化も求めるよう考えておりましたが,聞き取りの際にうかがってみたところ,35時間で,全く変わっていないとのことでした。同じ時間では,今の子供を取り巻く環境の急激な悪化には対応し切れないということの結果であるのかなと知らされたところであります。生きる力を養う心の教育のためには,もはや小学校の道徳の時間からでは遅すぎて,幼稚園や保育園での幼児教育からの一貫した共通の重点項目による,繰り返しの道徳教育が必要なのではないでしょうか。
また,日ごろから申し上げていることではありますが,学校での限られた学習の時間内で学べることはごく限られたものしかなく,むしろ学校では,教師であったり出入りしている大人の人であったり,通学している先輩や同級生や後輩たちとのコミュニケーションにより得るものの大きさははかり知れないものがあり,家庭においての親や兄弟とのコミュニケーションで得るものと同様に,まさにヒドゥンカリキュラムとして,その言動のすべてが後の人格形成への影響となってあらわれてくるのであります。
また,中教審の答申に加え,死や痛みへの恐怖や自己表現力,人と人とのコミュニケーション能力等を高めることも重要と考えます。さらには,押しつけでなく,みずから気がつかせるための具体的な手法等についても,副読本の中に必ず掲載しなくてはならないことと考えます。
以上,道徳教育の重要性を踏まえた考え方の一端を述べさせていただき,実情にあわせて,市長の見解をお伺いいたします。
3点目は,通学時を初めとした児童の安全策の推進に伴う家庭との連携による効果という通告をいたしました。
昨今の児童,生徒を取り巻く環境は悪化の一途をたどり,通学や下校途中の児童,生徒の安全を守るために,教育委員会を先頭に,学校や行政のみならず,地域の力と学校の連携による各種の安全策が講じられたことにより,幸い水戸市では大きな事件が未然に防がれており,大変喜ばれております。
しかしながら,このような事態というのは,いわば異常な事態であり,子供たちの人格形成に多少なりとも影響が出なければと案じる気持ちからも,何らかの解消策ができないものかと苦慮しているところであります。
そこで,改めて,最近の子供たちが被害者となっている事件や事故を自分なりに調べてみたのですが,結果は意外で,第三者による犯行というよりも,親兄弟などという近親者による行為に起因するものが多いことに驚かされ,家庭教育の大切さを改めて痛感し,家庭が変わらなければ子供の安全は確保できないとの考えに至ったのであります。
市でも,スクールガードを全校に配置するなど,さらなる補完策を推進しつつありますが,私は,一通りの安全策を講じてきたこの機会に,保護者との率直な意見交換をし,悩みを取り除くためにも,改めて家庭との懇談の機会を設け,家庭を初めとした子供を取り巻く環境の改善につなげるべきではと考えるのでありますが,加藤市長の見解をお伺いいたします。
次は,県が推進する中高一貫教育への市のかかわりについてという通告をいたしましたが,茨城県が市内の県立緑岡高校で中高一貫教育を行うと発表し,併設の県立中学校が開校されることとされているのは記憶に新しいところであります。
緑岡高校は,今までも県内の高校で初めて理数科を開設し,今では県内唯一の理数科のある高校であり,校長先生を社会経験の豊富な民間人の方が務めたり,PTAによるリース方式での教室への冷暖房機設置をしたりと,常に新しいことにチャレンジしているという特徴がある学校です。
私も卒業生の一人として誇りに思い,エールを送るとともに,併設中学校の開設への動向を注目しているところですが,水戸市立ではなく,県立とはいっても水戸にあるわけですから,現在,総合教育研究所を通して取り組んでいる水戸の教育の考えをしっかりと浸透されるよう連携をとるべきであると考えますが,見解をお伺いいたします。
次は,加藤市長を先頭に,鯨岡教育長が水戸らしい独自性のある教育の推進へ向けて尽力されていることは,だれもが認めるところであります。水戸市内には,水戸市立の小中学校のほかに,小中学校は,国立の茨大附属小中学校や私立の茨城中学校がありましたが,近年は新たに私立のリリーベール小学校や水戸英宏中学校が開校となりました。それに加え,引きこもりや不登校児のためのフリースクールも開校されて,水戸市の小中学生である児童,生徒の就学環境は選択の幅が広がり,大きく変化してきているのが実情であります。さらには,その児童,生徒の進学先として,私立の高等学校も,通信制の水戸平成学園高校や日立の翔洋学園高校が新設されてきており,選択肢がふえてきているのであります。
水戸市総合教育研究所による生徒指導や児童,生徒の安全策といった分野はこれまでも連携をとられていたということでありますが,水戸の教育の理念に沿った教育を受けるということができるよう,さらなる連携が必要と考えるところでありますが,御見解を伺います。
続いて,保健医療行政についての質問であります。
7月から本県においてマル福制度が廃止され,簡素化されるのは歓迎するところでありますが,それに伴い医療機関に支払われていた1件140円,県の総額では4億6,000万円もの処理手数料が打ち切りとなり,市町村の財源負担の軽減につながるとのことであります。
水戸市においては,医師会や歯科医師会,薬剤師会を初めとした関係団体の協力により,円滑な保健福祉行政が推進されるということを考えると,それにこたえる努力も必要で,それでこそ円滑な連携が維持できるものと考えるところであります。
高額医療費制度の補助,貸付制度の対応が気にかかるのでありますが,医療機関との関係を見るとき,高額医療費については,社会福祉協議会を窓口とする貸し付け制度や市町村を窓口とする補助制度がありますが,いずれの制度も,貸し付けや補助を受けながら医療機関へ医療費を支払わないという,悪用する人がふえてきて困っているとの声を担当の職員の方より耳にしておりました。これまでも何度か窓口に対し問題提起をしてきたのですが,改善されていないようであります。
そもそも,貸し付け制度は,かかっている医療機関の証明を必要としていることから,証明書を発行する際に,高額医療費の医療機関への代理授与の委任状を書いてもらうことにより,直接医療機関へ支給してもらうというような対策が可能でありますが,補助制度は医療機関へ直接支払うような代理授与が認められていないため,医療機関の側で対策がとれずにいるのが実情でした。
一方,他市の状況を見ると,補助金の請求段階で医療機関への支払い済みの領収書の写しの添付が義務づけられてあるため,踏み倒すことができない仕組みになっているため,水戸市でも領収書の義務づけを求めるべきと申し上げてきて,検討中とのことで,そのままになっております。
県の見解を求めましたところ,補助制度はあくまで支払った者に対して補助する償還払いとなっているため,医療機関へ未払いのものを直接支払うことは制度上もできないとのことでありました。とすれば,補助金の交付の際に,支払済みであることの確認が窓口である市町村のまさに義務であるわけで,確認しないで支払うことそのものに問題があることになってくるわけですが,早急な改善を求め,見解をお伺いいたします。
次は,救急医療対策の推進策についてであります。
過日,深夜2時前に,火災による熱傷で高齢の母親と働き盛りの息子さんが救急車で搬送されるという火災事故が発生しました。現場に急行した救急隊員が搬送のため市内4カ所の救急医療機関へ電話を入れるも,空きベッドなし,技術不足,応答なし,処置困難,診療不能などの理由で,母親は1時間以上もかけて土浦協同病院へ搬送され,息子さんは同様,日製水戸総合病院へ搬送され,手遅れとなってしまったという痛ましい結果でありました。
救急医療については,ドクターカーもあり,水戸市では円滑に運営されているものと自負していただけに,驚いたのでありました。ドクターカーが走行している時間帯であったら,3次救急医療機関で対応できるところがあったら,もう少しよい結果が出せたのではと悔やまれるところであります。 また,今回のケースのようなドクターカーが出動できず,かつ水戸以外の遠方の医療機関へ搬送せざるを得ないのであれば,まず市内の3次または2次救急医療機関にてワンポイントの応急措置をしてから搬送するという方法をとるよう,そして一日も早い済生会水戸病院の3次救急医療機関へ向けた働きかけを強く求め,そのことに対する市長の御見解にあわせ,済生会水戸病院へ委託後のドクターカーの運行状況と傾向,済生会水戸病院での気管挿管の研修状況,水戸以外の遠方の医療機関への搬送の現状と対策の以上3点についてお尋ねをいたします。
最後は,行政改革の推進についての質問でありますが,これにつきましては今までの本定例会での質問と重複するところがございますので,この中で外部監査制度の導入についてと市職員の意識の醸成についてのみの質問として,あとは割愛をさせていただきます。
外部監査制度の導入についても,3月定例会でも質問し,水戸市で導入している部分監査制度では十分な効果が得られないので,茨城県のように包括外部監査を導入すべきと申し上げてまいりましたが,満足のいく答弁は得られませんでした。
包括外部監査は,人口30万人以上の中核市になると義務づけられてくるのですが,特例市である水戸市は義務づけられておらず,任意となっておりますが,目前に迫っている茨城町との合併後は30万人を越えることになるわけで,改めて導入の進捗を伺うところであります。
ちなみに,東京都の豊島区では,4年間で4億1,000万円のコストが削減でき,制度に要した経費は年間500万円から800万円の実績であり,一方,同時期の監査委員の指摘で削減されたコストはわずか15万3,000円との結果もあり,昨今,効果がないと酷評続きの電子入札とは問題にならない効果が出ているわけであります。
もちろん,現在水戸市で行っている外部委員を中心とした水戸市行政評価委員会へ諮問し答申を受けていることは評価をしておりますが,あくまで外部監査とは別物なので,導入をためらっている理由がわからないのですが,改めて導入を求め,見解をお伺いいたします。
最後に,市職員等の意識の醸成でありますが,水戸市の職員の職場環境はと言えば,三位一体の改革の嵐が吹き荒れる中で,みずからの身を削るような行改の真っただ中にあり,かつ行政マンに向けられる目が,我々議員へのものと同様に厳しいものになっているため,かなりのストレスが増大している状況にあるものと推察をいたします。
そのようなストレスが要因とは言いがたいのかもしれませんが,最近は不祥事を起こして処分を受ける者や健康を害して長期休暇中にある者が目立ってきているのは御承知のとおりの状況であります。そのことは職場における人間関係が希薄になってきていることも要因と思われますし,改善により,少なからずもかなりの防止策につながるものと考えるわけです。
また,適材適所を踏まえた公平な人事を行うことはもちろんでありますが,そのことは職員が自分自身を適正に自己評価できているかにもかかってくるわけで,そのような観点に立ち,職員の意識の醸成に向けた何らかの策が必要と考えるところでありますが,市長の見解をお伺いいたします。
以上で,質問は終了いたします。答弁によりましては再度質問をさせていただくことになると思いますので,誠意ある御答弁をよろしくお願いいたします。
ありがとうございました。
答弁
◆◎市長(加藤浩一君) 葵政友会を代表されましての野村議員の御質問にお答えをいたします。かなりボリュームが多いものですから,答弁も時間が大分かかるだろうと思いますので,御理解をいただきたいと思います。
「元気都市・水戸」の実現に向けましての活性化策についてお答えをいたすところでございます。
御質問の中で,いまひとつ市長が求める都市像というものが浮かんでこないということでございますが,私は,元気な都市をつくっていくためには,今の中心市街地の幾つかの大きな店が,大店舗が長い間空き店舗のままであったということ,それから大工町の再開発等についても10年来の事業延ばしであったということ,加えて,この泉町の事業としての伊勢甚跡の問題,さらには京成跡地の問題,そしてそれに加えて,旧ダイエーの問題等々,水戸が水戸らしさとして誇っていた大きな店が幾つもなくなっていったと,そういうものを元のような形に戻しながら,そして水戸らしい元気というものを取り戻していくんだと,そういうことが私の求める「元気都市・水戸」の中心市街地の姿像であります。
そういう中で,1つずつお答えをしていきたいと思っておりますけれども,ダイエー水戸店跡地につきましては,これまで,県,あるいは水戸の地元の自治組織,それから商業関係団体等と一緒に,ダイエーが行った跡に,生鮮食料品や生活必需品,こういったようなものの物販機能を持つ店舗の導入ということで,ダイエーの責任として何とかそういう地域住民の生活を維持するだけの店舗を持ってほしいと,こういったようなことを再三にわたって訴え続けてきたところでございます。
本年1月にやっと公募という形になりまして,現在,入札の結果に基づいて落札者の交渉権が得られたということで,現在,その選定に向けての協議を進められているところでございます。これらにつきましては,早い時期に結論を導いていただきたいと,こういうようなことを強く願うと同時に,過般もダイエー本社に出向いてその要望を手渡してきたということでございまして,このことについてはもうしばらくで結論が出るものだと思っております。
御承知の通り,地元の要望を受け,ダイエー水戸店跡地を含む1.1ヘクタールの区域につきましては,やはり地元の要望,あるいは水戸市の求める姿,こういうようなことを実現するための地区計画というものを策定し,そして決定に基づきながら手続を今進めているところでございまして,そういったようなことで,今後,地元商店街,あるいは地権者との協議を十分に進めながら,地元住民の生活環境の確保,そして商店街の活性化,こういうものに積極的に取り組んでいきたいと,こういうふうに考えておるところでございます。
次に,泉町1丁目北地区の旧京成跡地につきましては,本年5月に株式会社伊勢甚本社が土地,建物を取得したところでございます。また,商店主等による自主的な取り組みとして,この北地区のまちづくりにつきましては,街づくり100年委員会から北地区の事業の方向性について具体的な提案をいただいたところでございます。こうした提案を踏まえて,現在,広場機能の導入,あるいは施設の内容等の基本計画について,地元と協議調整を行いながら検討を進めているところでございまして,これらもなるべく早く,この北地区につきましては,南地区の開発と芸術館とをそれぞれ結ぶ位置にあるものですから,中心市街地におけるにぎわいを創出する上で重要な位置づけであると認識をしております。
このため,芸術,文化と商業,京成,それから京成の跡地,こういったようなことと芸術館とを結びつけ,それぞれの商業施設と文化施設と芸術文化を結びつけた重層地区というものを形成していきたいと,こういうふうに考えておりまして,今後は,引き続き地元との協議を十分に行いながら,早期の都市計画決定に向けて具体的な検討を進めていきたいと考えておるところでございます。
次に,南町4丁目の旧ユニー跡地につきましては,これまで長期間,ただいま申し上げましたように,旧ユニー跡地につきましては10年間という非常に長い間,空きビルの状態が続いておったわけでありますが,本年3月に東京の不動産会社が地権者との合意に至り,土地,建物を購入したところでございます。
契約成立の直後,不動産会社の幹部の方がおいでになりまして,開発に当たっては,低層階における商店街の連続性の確保,こういうことに配慮していただきたいということを強く望んだところでございます。
今後は不動産会社において開発に向けての計画検討が進められるわけでございますが,計画の具体化に応じて,適切に協議を行って,にぎわいの創出を確保していきたいと,こういうふうに考えておるところでございます。
次に,水戸駅南口の拠点整備についてお答えをいたします。
駅前の広場北側に位置する拠点施設用地につきましては,土地区画整理事業の進捗にあわせて,都市再生機構において,本年2月から公募による事業者募集が行われたところでございます。
その結果,310特目有限会社が選定され,5月22日に土地譲渡の契約に至ったところでございます。なお,契約金額については公表されておりませんので,私ども知る余地がございません。
今後のスケジュールにつきましては,今年度末に都市再生機構から事業者に土地を引き渡されると予定されておりまして,その後,施設の建設工事が進められると考えておるところでございます。
310特目有限会社における事業計画では,商業施設のほか,マンション,駐車場等の整備が計画されているところであります。
水戸市としては,計画地における施設建設について,都市再生機構に対して,交流,情報,商業,業務機能等々を備えた施設が形成されるよう,これまでも強く要望をしてきたところでございます。計画地は駅前広場に面し,市民にとって特に影響の大きい場所に位置するところでございまして,駅南に真っすぐぶつかる道路,いわゆる水城高校から真っすぐ水戸駅を見渡しますと真ん前ということでございますので,景観形成の問題を十分に考慮するよう,建築計画の内容についても,これからさらに都市再生機構及び事業者と調整し,駅前にふさわしい魅力ある都市空間の形成が図られるよう,全力を尽くしてまいりたいと考えておるところでございます。
次に,黄門神社隣のマンション建設事業者への働きかけについてお答えいたします。
全国区の人気を誇る黄門様は,新観光基本計画でも本市のシンボルとして重要な位置づけをしており,義公生誕の地の前面にマンションが建設されることは,本市のブランドとしての黄門様の名所が目立たなくなり,市の観光としてマイナスになるのではないかと非常に危惧をいたしたところでございます。
このため,私は,要望があった地域住民,代表の方々とともに,マンション建設業者と協議を行ってまいりました。その結果,幹線市道1号線(三の丸・城東線)から生誕の地が見通せるよう,同幹線入り口の部分から生誕の地までに,市民や観光客が利用できる,植栽やベンチを配置した空地を設けることにしたものでございます。これらの働きにおいては,本市はもちろんのこと,地元住民,あるいは住民代表,そういう方々の熱心な働きかけがあったことを申し添えておきたいと思います。
同時に,義公生誕の地に関する祭事のときには,来客用の駐車場が利用できるなどの覚書を,市と地元地区住民と事業者との3者間で締結をしたところでございます。
さらに,マンション販売に当たっては,覚書の内容を重要事項説明書に記載し,この効力がマンション管理組合にも継承されるようにしていただいたところでありますので,地域と共存した開発が実現できたものと考えておるところでございます。
次に,中心市街地における開発拠点につきましては,水戸駅,南町,泉町,大工町の4つの性格を持つ地区に区分して,それぞれ中心市街地活性化基本計画の位置づけのもと,活性化策を総合的に展開しているところであります。
このうち,大工町地区につきましては,西の玄関口にふさわしい都市機能としてホテル,都市型住宅等の施設整備を図ることとし,今年度中にも建築物の工事に着工する予定となっておるところでございます。
南町地区においては,くろばね通り等の電線地中化整備の推進に取り組んでいるところであり,表通りの伝統ある商店街と裏通りのかいわい的空間の整備を図り,特に最近は夜市なども見せて,大変なにぎわいを持っておるわけでありますが,厚みのある商業集積の形成を促進しているところでございます。
このように,各地区において,歴史的に蓄積をされてきた地域の資源や特性を生かしながら,魅力ある中心市街地のまちづくりを推進してまいりたいと考えております。
また,中心市街地におけるマンションが計画されておるところでございまして,最近特に駅周辺を中心にして多くのマンションが計画をされております。中心市街地人口の推移を見ますと,昭和50年の1万7,629人に対して,平成16年の1万1,460人と約4割の減少となっておるところでございますので,これら人口との比較対照等を考えたときに,大丈夫かという御指摘は,この格差で薄められると思っておるところであります。
中心市街地の活性化に向けましては,居住機能をさらに高め,定住化を図ることが重要な要素であり,人口回帰の受け皿として,民間開発を誘導してまいりたいと考えております。そのため,これまで集積された行政,文化,福祉等の施設の機能充実を図り,民間活力を活用した良質な都市型住宅の供給を今後とも適切に促進していきたいと考えておるところであります。
次に,市内の拠点間の巡回バスの運行計画に対する御質問であります。
御承知のとおり,茨城交通株式会社における中心市街地の循環バスについては,水戸駅を起終点とした国道50号,大町通り,金町通り,そして中心市街地を循環するルートで運行することとし,来月上旬からの運行が開始されると聞き及んでおります。
大町通り,あるいは金町通りでは,かつて路線バスがあったものが廃止となった経緯もあることから,この循環バスについては大きな期待をかけておるところでございます。特に,今後到来する高齢社会への対応など,市民福祉の向上が図られるものと期待をいたしておるところであります。
加えて,この循環バスは,芸術館を初めとした文化施設,観光施設等を結ぶルートが設定されておることから,観光振興,あるいは商店街の活性化,こういうことにも波及するだろうと思っております。
本市といたしまして,このバスを市民はもとより本市を訪れる方々に広く利用していただくことが中心市街地の活性化にもつながるものと期待をしておるところでございます。
御指摘のどういう援助をするんだということでありますが,本市としては,この関係者との連携を図りながら,循環バスのPR,これをあらゆる手法をもってPRし,あらゆる機会をとらえてこの運行に協力をしていきたいと,かように考えておるところでございます。
次に,環境政策のうち,千波湖の湖面の復元についてお答えいたします。
千波湖は,偕楽園公園の中で偕楽園の借景として,また,市民の憩いの場として,水戸市民の大きな財産でございます。
このようなことから,千波湖というものを考えてみると,昭和50年代から家庭の雑排水等の流入が非常にひどくなって汚濁が進んだため,昭和63年から浄化対策として,底泥汚泥のしゅんせつ,そしてさらに,暫定水量として毎秒0.75トンの渡里用水を活用しての導水事業を行っておるところでございます。
これらをふやしていった方がいいんではないかというようなお話でございますが,これは暫定水量ということで,毎秒0.75トンずつを揚水しているということであって,しかもこれは,農業用水としての暫定でありますから,農閑期における活用ということになりますので,農繁期は農業が忙しい,農業に水を使う,こういうことから毎秒0.75トンずつが全部確保できるという状況にはございません。したがって,そういったようなことから,新たな対策を講じなければならないということであります。
そのほか,水生植物を使ってはどうなんだ,あるいはいろんな策がもっとあるんではないかと,こういうふうな御指摘でありますけれども,私が市会議員をやっておった当時から,ホテイアオイであるとか,あるいは長毛ろ過方式であるとか,いろんな策を講じてまいった結果がありました。しかし,いずれもその効果を発することができません。
したがって,今,水を再生させることができるのは,底泥汚泥のしゅんせつをすること,それから,それができなければ新しい,きれいな汚染されていない水を導水すること,このようなことでございます。
したがって,私が今目指していることは,霞ヶ浦導水というものを,今既に1,790億円の総事業費のうち,事業ベースでは既にもう70%いっております。しかし,物価の推移等々が上がって,50%ぐらいであろうと。そうするとあと,霞ヶ浦まで着くのは15年かかるのか20年かかるのかわかりません。しかし,投資の効果を考えれば,もう立坑はできていますから,取水口だけできれば,この取水口から吸い上げて桜川に落とす,桜川が浄化されれば千波湖もきれいになる,こういうことで毎秒3トンの流水を確保できると,この方法しか方法はない。したがって,私は,3月に,だれもなし得なかった千波湖の水質浄化を5年を目途にやりますということの明言をしたということでございます。
次に,家庭ごみの有料制につきまして,市民の皆様方の御理解と御協力により,ほぼ100%と言っていいぐらい,ルールどおり進んでおるところでございまして,おおむね順調に進んでおるところでございます。
そして,水戸市廃棄物減量等推進審議会の提言にありました取り組むべき施策等のうち,かねてより市民要望が寄せられていた国民の祝日等の特別収集,それから集団回収報償金の引き上げ,それから生ごみ処理機補助金の引き上げ,ペットボトルの集団回収と回収拠点の増設,常澄地区における一般集積所での資源物回収,これらを早速この4月から有料化と同時に実施を図ってきたところでございます。審議会の御指摘をいただいたもの等については,おおむね実行に移しているところでございます。
さらに,水戸市美化推進員制度を創設いたしまして,これまでに1,938人の市民の皆様に登録をいただいたところでございます。集積所や地域の環境美化に取り組んでいただくとともに,市といたしましても,道路,あるいは山林などの不法投棄が継続している箇所については監視カメラを設置すべく,これらの設置場所等の選定を急いでいるということでございます。
今後,さらに進めなければならないことは,生活保護世帯への指定袋等の交付,あるいは事業系ごみの適正排出の啓発に努めてまいりたいと考えておるところであります。そのほか,ペットボトルの一般集積所回収やその他の紙製容器,その他のプラスチック製容器の分別回収につきましては,収集体制の確立やリサイクルプラザの整備にあわせて段階的に実施すべき課題だと考えておるところでございます。
次に,リサイクルプラザについてでありますけれども,このリサイクルプラザについては,資源循環型都市の構築に向けて,早急に整備を図る必要があると考えておるところであります。
御指摘の第二清掃工場の都市計画決定をしているんではないかと,これの変更等々をやってから具体的にという御質問,御意見等々がありましたけれども,ごみというものについての処分場は極めて微妙な問題がございます。したがって,それを直ちに取り消し,新しい設置場所ということになると,また世論を喚起すると,騒ぎ立てるということになりますので,それらにつきましては,私ども行政が慎重に,的確にこれらを推進していきたいと,こういうふうに考えておるところでございます。 ○議長(小松崎常則君) 市長,残り時間,あと3分ぐらいです。 ◆◎市長(加藤浩一君) 子育て支援等少子化対策についてでありますけれども,平成17年度における本市の次世代育成支援対策行動計画の実施状況は,全228施策のうち205の施策を実施し,実施率は90%になっているところでございます。
新規事業として,つどいの広場事業,特定保育事業などを開始し,家庭で保育をされている保護者に目を向けた施策の展開を進めるとともに,多様化するニーズへ対応していきたいと考えております。
子育て支援施策のコントロールタワーとなるべく,子育て支援・多世代交流センターにつきましても,整備に着手したところでございまして,現在開設している地域子育て支援センター等の地域におけるそれぞれの支援の拠点とネットワークの構築をしていきたいと,こういうふうに考えております。
次世代育成支援対策行動計画につきましては,計画に位置づけられた施策を着実に推進するとともに,ハード面での施策とあわせ,子育て支援総合推進モデル都市の指定を受けた都市として,この使命を十分に果たしていきたい。本市が子育てをしやすいまちとして市民の皆様に感じていただけるような,議員御提言を踏まえ,さらなる施策の充実強化に努めていきたいと,かように考えておるところでございます。
それから,保健医療行政のうち,高額療養費交付制度につきましては,確かにこれは御指摘いただくように,医療機関への支払いについては抽出確認をしておりまして,未払い者が増加しているなど,この御指摘を踏まえた領収書等による確認を早急に検討していきたいと考えています。
確かにこれは,該当者及び償還者が非常に多くなってきたと,なかなかそれを全部確認できないというような状況にございますので,今のところ抽出確認をしておりますが,領収書とつき合わせていきたいというふうに考えておるところでございます。
それから,救急医療の体制について,まず,ドクターカーについてですが,旧国立病院−−水戸医療センターに移りましたけれども,現在におきましては29件の減ということになりました。これはやはり受け入れるところがないものですから,このことについては,水戸済生会総合病院とこれを今協議しているところでございまして,もう間もなく国の承認が得られるというようなことの段階に至っております。したがいまして,この水戸済生会総合病院との問題が解決すれば,24時間体制でのドクターカー運用が可能になるというようなことでございます。
それから,気管挿管の病院実習については,その実験台になってくれる方,いわゆるその了承をしてくれる方というのがなかなかいないんで,難しいですけれども,幸いにして,今,水戸市の方におきましては,おかげさまで協力をいただいて,5名の消防の,この気管挿管の実習を受けて,許可を受けた者が誕生いたしました。
これからも,それぞれの御協力をいただきながら,救急の重症患者の搬送体制の確立に向けて,この済生会病院を早く3次救急医療機関と位置づけしてもらって,ここで対応できて,ほかに持ち込むことがないようにしていきたいと,こういうふうに考えておるところでございます。
〔「時間だ,時間」「時間どおりにやってくれよ」と呼ぶ者あり〕 ◆◎市長(加藤浩一君) 次に,外部監査等の導入については,これは今後の中核市になってから対応をしていきたいと考えておるところでございます。
それから,職員の意識の醸成につきましては,今後,なお一層,より努力をしていきたいと,かように考えておりますので,御了承のほどお願いを申し上げます。
ありがとうございました。