平成10年6月定例会
野村まこと(眞実)の一般質問と答弁の全文です。
質 問
○副議長(縁川賢次君)4番,野村まこと(眞実)君。〔4番野村まこと(眞実)君登壇〕(拍手)
○4番 野村まこと(眞実)君 私は政友会の野村眞実でございます。平成10年第2回水戸市議会定例会に当たり,通告に従いまして,ただいまから一般質問を行います。
質間は大項目で5項目ありますが, まず最初に国土調査の早期実施についてということで質問申し上げます。国土調査は,国土調査法に基づき,国有林と公有水面以外のすべての国土を山林,農地,都市域周辺の市街地,都市域に分類し,順次筆ごとに権利関係を調査,登記し,明らかにしていく国からの交付金により市町村が進めるよう位置づけられている事業であります。平成2年から平成11年の10カ年計画の中では4万9,000平方キロメートルを因の目標としており,市町村ごとの計画を立てることとされており,平成8年度に山林,農地の大半が終わり,都市域周辺の市街地へ移りつつあるとのことです。
さて,水戸市内を見るとき,市街化区域内でありながら,地権処理がなされておらず,官民や民民間の境界が不確定のままの住吉町の一部や石川町,西原などのようなエリアが相当あり,また常澄地区内にも下入野の一部や下大野の野中地区などのように,住民や地権者が開発促進を希望しているのに,公図が不詳のため手をつけられずにいる地区があるとのことでございます。国土庁によれば,このような地区でも,地権者の同意が得られれば,現況に合わせた地形図を作成し,法務局で地図訂正の登記を行い,その後に行う方法であれぱ国上調査も可能とのことでした。隣地との境界が不確定であるということは,当然ながら建築確認行為ができず,建物が建てられないため,市街化促進の妨げとなっており,市外への人口流動にもつながっているのではと懸念するところであります。
そこで,市として積極的に国や関係機関へ予算獲得の働きかけを行い,市街地の国土調査を進めるべきと考えますが,本市における国上調査計画とその考え方についてお伺いいたします。
また,本市では,今まで農地が中心であったためか,農政課が担当しており,3人体制で何とかこなしてきたようですが,市街地が対象になることも考慮すると,地域整備課を担当課に変更するなど,事務分掌の見直しも必要ではと考えますが,執行体制についてもお伺いいたします。
続きまして,環境行政についての質問でございます。 伊藤議員の代表質問,小圷議員,波多議員,本田議員,4名の議員の方々から既に質問があり,ダイオキシンによる影響に関する関心の高さがうががわれますが,重複しないよう,簡潔明瞭に御質間させていただきたいと思いますので,よろしくお願いいたします。
リサイクルという言葉がやっと一般的になり,昨年4月に施行された容器包装リサイクル法も2年後には完全施行されることになっておりますが,県内他市町村に比較しても,本市ではシステムも確立されておらず,遅れをとっているのが実情です。その結果,まちにはペットボトルが氾濫しており,慶喜プームで来水された方々からも,千波湖を初めとした緑が潤うせっかくの自然環境があるのに,「ごみが邪魔していて残念,何とがならないの」との御意見をちょうだいし,少し一緒に歩いてみて,ぷだん車中心の生活になれてしまっていて見えなかったものが見え,改めてごみ行政の必要性を痛感したところです。
県内の事情は,龍ケ崎市や牛久市,利根町のごみを処理している龍ケ崎地方塵芥処理組合では,2年後に備え,容器包装プラスチックごみの分別収集を既に開始しており,常陸太田市,金砂郷町,水府村,里美村の4市町村で構成する常陸太田地方広域事務所でも自前でペットボトル粉砕機を購入し,回収を始めており,茎崎町においては,92年4月がら既に資源ごみを瓶,缶,紙,布などの24晶目に徹底分類し,中でも瓶,缶,アルミ,ペットポトル,鉄くずについては,さらに18品目に細分をし収集しており,現在はほぼ100%の回収率を達成しているとのことです。
龍ケ崎,牛久,常陸太田などの他の市町村ができて,水戸市にできないはずはありません。ダイオキシンの問題が身近な問題に迫って来ている昨今です。この際,担当者が先進都市を視察するなど勉強を重ね,本市でも早急にさらなる分別収集の徹底を図り,ごみの再資源化と滅量に積極的かつ計画的に取り組むべきと考えますが,今後の計画と執行部の意識を含めた見解をお伺いいたします。 続きまして,下水道行政ということで通告させていただきました。
旧6号国道と県道下入野・水戸線が交差する,通称千波十文字から緑岡高校入口のバス停留所までの間のうち,ウエルマート千波店と武田薬品までの間の下水管が容量不足と思われ,大雨のたぴに冠水するため,以前より近隣の住民の方々が市に電話を入れて相談しておりましたが,なかなか解決策が見つからないようで,対応してもらえないとのことでありました。また,昨年の6月には,向かい側の工場が雨水により浸水し,機械類が水没し,被害が出たため保険対応することとなり,市の市民環境部の担当課に相談したところ,早速現地調査をしていただき,罹災証明の発行がなされ,保険会社により一部を補償してもらうことができありがたかったが,その際,保険会社の担当からは,今後については,本来行政が対応すべきものであり,このまま放置されれば天災とは言えず,人災と言わざるを得ないので,補償対象にはできないとのコメントをいただいたとのことであり,雨が降るたびに心配しているとのことでありました。
最近の状況をお聞きしますと,わずかの雨量でも冠水し,まずます悪化しているようで,緑岡高校の通学路にもなっているため,そこを通行するかなり多くの方々が迷惑しているのが実情とのことでありました。この際,再ぴ冠水による被害が生じないよう早急に調査し,対策を講ずるべきではと考えますが,市は実情を承知しておられるのか,今後の対策と見解を伺います。
また,同じ県道に接する水戸市道の雨氷排除の下水対策については,下水道部の迅速な対応で解消され,大変喜ぱれているという事例もあります⊃県道であるとは言え,できないことはないと思いますので,罹災証明発行後は,再ぴ同じ災害を被ることのないよう関係各課や機関へ自動的に連絡調整が図られるよう制度化をしてはと考えますが,見解をあわせてお聞かせください。 続きまして,土木行政でございます。
昭和61年の那珂川の水害は,大自然の中での人間の無カさと河川改修と堤防設置の必要性を改めて認識させられ,今でも記憶に新しいところであります。建設省により那珂川改修事業が行われており,市の土地開発公社が代替のための住宅団地の造成事業や用地買収の委託を受け積極的に取り組んでいるのは評価できるところでありますが,事業の進捗状況を見ると,南側の堤防に比べ北側の堤防は断片的にしか整備が進んでいないのが実情で,台風シーズンを前に,みんなが不安を感じているのが実情です。
さて,青柳町に長福寺共有財産共同墓地というのがありますが,堤防敷の計画の中に入っており,檀家の方々も防災のためであればやむを得なL、とのことで,移転へ向け,同意協カの意思表示をしており,代表者の選出もしているとのことですが,その後の行改の交渉姿勢に積極性が見られないとの声を耳にいたします。
墓地は昔ながらの自然型の墓地で,全体の敷地のうち1,855平米が堤防にかかるため,隣接地に同面積の代替地が用意されたが,新しい墓地は公園型になるため,5メートル幅の緩衝地帯等を設けなけれぱならず,供用部分が大幅に増え,事実上20%の滅歩をされてしまい,納得できないとの意見もあるようです。従来の墓地に附属していた管理棟の建物はいつの間にか取り壊されており,その部分まで含んでの移転計画が進められているとのことで,本来移転しなければ必要のなかった公園等の機能が現行の法律では必要になり,それがなければ移転できないというのであれば,当然機能として補償されるのが一般的であると私は考えます。
その辺が争点として残っているようですが,もし再ぴ水害が起きた場合はだれが責任とるのかとの行政不信の声もあるやに聞いておりますので,この際,市としても,市民生活の安全を守る立場で関係機関に働きかけの上,早急に対処すべきではと考えますが,氷戸市は那珂川の改修事業を地元市としてどのように位置づけ,計画されておられるのか,その進捗状況と市側の責任の所在を含めた執行部の見解をお伺いいたします。 最後は,福祉行政の質問でございます。
水戸市では,公投民営の形で社会福祉法人水戸市社会福祉事業団による障害者や高齢者のための各種の福祉事業が積極的に展聞されており,現場のそれぞれのスタッフの日ごろの活動は評価できるところです。
河和田町には総合福祉作業施設として分場も合わせ5施設,身体障害者療護施設1施投があり,約167名の方々が通いで刑用しておりますが,通所バスに限りがあるため,約26名の方は家族が送り迎えをしており,朝8時半に送り,3時半に迎えにいくという日課で,1日2住復もしており,長期にわたるため大変な負担になっているのが実情です。以前より家族の方々の声をお伝えし,送迎体制の改善を求めてまいりましたが,平成10年度の事業方針の中に大型バスの導入による送迎サービスの向上を目指すと位置づけられ,大型バスが購入される予定までようやくこぎつけたことは大変ありがたいことであり,一日も早い導入を強く希望するところであります。そこで,バス購入の予定とその運行方法はどのように考えておられるのかお伺いいたします。
また,授産施設の「はげみ」については,送迎パスを使用しない自主通所を原則としているようですか,ただでさえ障害があり,通うのが太変な二とは今さら申し上げるまでもないことですので,運行の際は,作業所の「むつみ」も授産施投の「はげみ」もどちらも利用できるよう差をつけることなく,せめて希望される市内の人にはすべてこたえられるよう門戸を開いた対応をずるなど御配慮くださいますよう強く要望いたします。 以上で第1回目の質問を終わりますが,昨日の答弁をうかがいましても,質問の趣旨を理解しているとは思いがたいような答弁があったり,また再質間されてから小出しに答えるというような答弁も見受けられますので,再質問がしなくて済むよう簡潔かつ前向きな御答弁をよろしくお願いいたします。
答 弁
○副議長(緑川賢次君)産業経済部長,内藤省三君。[産業経済部長内藤省三君登壇]
○産業経済部長(内藤省三君)野村議員の御質問のうち,国上調査事業についてお答えいたします。
国土調査事業につきましては,昭和29年度がら継続実施し,平成8年度をもって市街化調整区域はおおむね終了しております。市街化区域につきましては,平成2年度に実施いたしました都市部地籍調査促進事業概況調査の結果をもと1こ,平成9年度がら10カ年計画により元吉田町を実施しているところでございます。
今後の計画につきましては,議員御指摘のとおり,都市基盤の整備等を図る上でも,市街化区域における事業の推進が課題となっておりますので,平成12年度を初年度とする,国の国土調査第5次10カ年計画を機に,今後,実施体制の見直しを含め,関係部課と十分協議検討してまいります。 ○副講長(縁川賢次君)市民環境部長,川又信孝君。
〔市民環境部長川又信孝君登壇〕
○布民環境部長(川又信孝君)野村議員の一般質間のうち,
環境行政についてお答えいたします。
容器包装リサイクル法については,平成9年4月がら施行され,現在ガラス製,金属製及び牛乳パック等の紙製の容器包装及ぴペットポトルが対象品目となっておりますが,本市においては,紙製容器包装及びペットボトルを除くガラス製及ぴ金属製の容器を分別回収し再資源化しているところであります。
さらに,平成12年度からプラスチック製,段ポール製及びその他紙製の容器包装が対象品目として追加されます。したがいまして,ペットポトルを含め,現在分別回収を行っていない品目については,リサイクルルート等の状況及ぴ再資源化用途等を調査し,議員の御指摘を踏まえ,十分検討してまいりたいと思いますので,御理解をいただきたいと存じます。 ○副議長(緑川賢次君)下水道部長,橋本耐君。
〔下氷道部長橋本耐君登壇〕
○下水道部長(橋本耐君)野村議員の一般質問のうち,下水道行故に係る県道路面冠水に伴う罹災証明発行後の対策についてお答え申し上げます。
本市における雨水対策につきましては,市街化区域を都市下水路整備事業,市街化調整区域を排水路新設改良事業により,浸水の防除を図っているところでございます。
議員御指摘の県道水戸・神栖線の千波十文字から県道下入野・水戸線のウエルマート千渡店付近の路面冠水につきましては,県道側溝の流下能力が不足しているため生ずるものと思われます。
県道には,準用河川狭間川を流末とする都市下水路が整備されておりますので,県道側溝の流末を都市下水路へ接続がえを行い,路面冠水の解消を図るよう,道路管理者であります茨城県へ早急に要望してまいりますので,御理解を腸りますようお願いいたします。
また,災害後の対応につきましては,関係各課の連絡調整が早急1こ図られるよう調整してまいりたいと考えておりますので,御理解を賜りますようお願い申し上げます。 ○副誌長(縁川賢次君)建設部長,菅原信男君。
[建設部長菅原信男君登壇]
○建設部長(菅原信男君)野村議員の御質問のうち,土木行政,那珂川改修事業についてお答えいたします。
まず,御指摘の堤防の断続的な整備につきましては,現在,家屋の移転及ぴ用地買収を優先に進めておりますので,地権処理が完了したところから築堤工事を実施しているのが現状であります。
平成10年度は,水府地区の築堤に着手するところでございます。
また,長福寺共同墓地の移転促進につきましては,地元と建設省及ぴ水戸市との3者で移転代替地用地を含めた協議を重ねているところでありますが,地権処理等の諸問題もありますので,今までの経緯並びに議員御指摘を踏まえまして,所期の目的が達成されるよう努力してまいります。
改修事業に対する水戸市の対応につきましては,水戸市並びに那珂川改修期成同盟会におきまして河川改修事業の早期完成が図られるよう,建設省と協力し,水害を未然に防ぐ意味からも,事業の促進方に努め,平成12年度完成を目途に事業を実施してまいります。
なお,水害時においては,水戸市水防計画に基づき関係機開並びに関係団体等々と連携,協カ体制を図り,万全を期して取り組んでまいります。 ○副議長(緑川賢次君)保健福祉部長,備海暉雄君。
〔保健福社部長備海暉雄君登壇〕
○保健福祉部長(備海暉雄君)野村議員の御質問のうち,福祉行政についてお答えいたします。
水戸市社会福祉事業団では,現在送迎用車両を5台保育いたしておりまして、「はげみ」「むつみ」「のぞみ」の3施設において通所者の送迎に使用しております。
議員御質問の送迎用車両の購入についてでありますが,本年度は国庫補助により現有車両の更新を行うものでありまして,捕助が確定し次第,購入手続を取り,早急に使用を開始してまいります。
その車両の運行方法につきましては,運転業務を委託化するとともに,安全送迎の観点から,職員を添乗させることを考えております。
運行コース及び送迎人数につきましては,議員御質問の趣旨を踏まえ,道路状況や送迎時間,車両の乗車定員やその地域の送迎対象人員などを勘案しながら,保有車両の割り振りを行い,安全かつ効率的な運行計画の設定に努めてまいります。また,「むつみ」,「はげみ」及び「のぞみ」の送迎対象者につきましては,通所者本人の障害の程度や家族の状況など一定の基準のもと,各施設の代表者で構成する送迎委員会において審査,判定を行い,送迎対象者を決定してまいりたいと考えております。
○副議長(緑川賢次君)4番,野村眞実君。 〔4番野村眞実君登壇〕
○4番(野村眞実君)ただいまそれぞれ執行部の担当部長より御答弁をいただきましたが,1点質間と,また要望等をさせていただきたいと思います。
1つは,国土調査の早期実施について,実は質問を申し上げたんですが,国土調査というのは,実際国庫捕助金といいますか,交付金によって賄われていますが,市街化調整区域,ただいま申し上げたのは市街化区域の中の質問でございますが,答弁の中に市街化調整区域はおおむね完了してきているというようなお話がございました。ただ,一部の地域で国土調査が終わらないままになっている地域もございます。そこについては,国の交付金が取れないんではなかろうかというふうに思われますが,その今取り残しているところについては,どういうふうにこれがら計画されていかれるのか,改めて,執行体制についてということで,その辺も踏まえて御答弁いただけるのかと思っておりましたが,そこについて再度御答弁を求めます。 それから,環境行政のリサイクル問題で,リサイクルルートの確保あるいは資源の処分先,こういうもののルートを見つけた上で,平成12年度からの10ヶ年計画の中で対応していくというふうな,今御答弁だったように解釈いたしましたが,ほかの常陸太田にしろ,他の市町村で既にやっていまして,特にそのペットポトルについては,即座に原材料として処分引き受ける引き受け先はございます。そういうことで,そんなにこれから調査したり検討したりしなくちゃならないようなものじゃなくて,すぐ手のつけられるものもございますので,ぜぴとも質問に含めておきました先進都市を視察するなどということで,実際にやっているところを担当の方は見に行かれて,早急にそのリサイクル,他市町村に恥ずかしくないような,リサイクルのシステムを完了するよう強く要望申し上げまして,2回目の質問を終わらせていただきます。 ○副議長(縁川賢次君)産業経済部長,内藤省三君。
〔産業経済部長内藤省三君登壇〕
○産業経済部長(内藤省三君)野村議員の再度の御質問のうち,国土調査についてお答え申し上げます。先ほど市街化調整区域につきましては,おおむね完了しているということで,一部残っているところがございますが,これらについては,今後早急に検討してまいりたいというふうに考えております。